月に代わってお仕置きよ

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長女がまだ幼稚園に入るか入らないか、という頃のお話です。私の大失態から生まれた、忘れられない一言があります。

あれは今から30年ほど前、地方でのこと。私は小さな娘二人を車に乗せて、子ども服屋さんのバーゲンセールへと向かいました。お店の近くに来たものの、いい駐車場が見つからず……いけないことと知りながら、つい路上にちょこんと停めて、セール会場へ駆け込んでしまったのです。今思えば、呆れたものです。

さて、お目当ての戦利品を手に、ほくほくで車に戻ると、フロントガラスに、見慣れない紙がぺたり。そう、駐車違反の切符です。

「ああああ、ママ、お巡りさんにお金取られちゃう!」

思わず独り言のようにこぼした私。ところが、その言葉を、長女はしっかり聞いていたのです。

「おかしいね。泥棒さんはお金を取るけど、お巡りさんもお金を取るのかな?」

……鋭い。あまりに素朴で、あまりに核心をついた問いに、私はしどろもどろ。「ち、ちがうちがう。ママが悪いことをしたから、お仕置きにお金を取られちゃうんだよ」と、なんとか説明したのですが。

すると娘は、キラリと目を輝かせて、こう言い放ちました。

「月に代わってお仕置きよ!」

当時、娘たちはアニメ『セーラームーン』が大好きでした。ヒロインの決め台詞。まさかそれを、実の母に浴びせられる日が来るとは。私は見事にトドメを刺され、返す言葉もございませんでした。

あれから30年。あの小さなセーラー戦士も、今ではすっかり立派な大人です。それでも、あの得意げな顔は、今でもはっきり覚えています。悪いことをしたらお仕置き。うん、娘の言うとおりでした(笑)。

……と、ここまで書いたところで、うれしい発見がありました。本箱の隅から、なんと当時のレーザーカラオケのディスクがひょっこり出てきたのです。その名も「月に代わっておしおきよ」。まさにこの記事にぴったりの一枚に、思わず笑ってしまいました。

セーラームーンのレーザーカラオケディスク
本箱から出てきたセーラームーンのレーザーカラオケ。「月にかわっておしおきよ」の文字が眩しい

当時、父がレーザーカラオケを持っていて、娘たちもこれで歌っては大はしゃぎしていました。ムーンライト伝説にプリンセス・ムーン……あの頃の歌声が、ディスクと一緒に、ふっとよみがえってきます。思い出は、こんなふうに、ひょんなところからやってくるものですね。

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